水のコラム
お風呂の排水口トラップがないと起こる問題。役割と掃除方法
お風呂の排水口に設置されている「排水トラップ」をご存知でしょうか。排水トラップは、私たちが快適にお風呂を利用するためにとても重要な役割を担っている部品です。
そこで今回はお風呂の排水トラップの役割と、お風呂に排水トラップがない場合の対策方法などを詳しく解説します。
お風呂の排水口トラップとは
お風呂の排水口に設置されている排水トラップはどのような構造となっているのでしょうか。
排水トラップの役割
お風呂の排水口の奥にある排水管は、下水管に直結しています。下水管には汚水が流れており、汚水の悪臭やそこに寄って来る害虫が存在しています。これらの悪臭や害虫を防いでくれているのが排水トラップです。
排水トラップの中には水が貯められており（封水）、その水が悪臭や害虫をシャットアウトしてくれています。つまり、排水トラップが設置されていないと、排水口から悪臭や害虫が逆流し家中に広まってしまいます。
私たちが清潔で快適に生活できるように維持してくれているのが排水トラップだと覚えておきましょう。
排水トラップの種類：椀トラップ
排水トラップには椀トラップという種類があります。椀トラップはその漢字からわかるように、お椀のような形状をしておりお椀をひっくり返した構造です。
椀トラップは排水トラップの中でもシンプルな形状のため掃除が比較的に簡単なメリットがあります。排水トラップは封水があることで悪臭や害虫の浸入を防いでいるのです。
しかし、何らかのことが原因で封水が本来の役割を果たせなくなってしまう現象（破封）が起こることがあります。椀トラップは破封トラブルが起こりやすい種類であることがデメリットとして挙げられます。
排水トラップの種類：ドラムトラップ
排水口がドラムのような形状をしている場合、排水トラップはドラムトラップとなっています。
ドラムのような形状をしていることから他の種類と比べて封水の量が多く、封水が蒸発してしまう心配が少ないというメリットがあります。
他の排水トラップは排水の流れによってトラップ内が洗浄されるのが特徴です。
一方でドラムトラップには自己洗浄作用がありません。勝手に洗浄されることがないため、ゴミが溜まりやすくつまりが発生しやすいデメリットがあります。
排水トラップの種類：管トラップ
管トラップは一般家庭に最も普及しているタイプです。配管をS字、U字、P字に曲げることで水のたまり場ができます。
他の排水トラップに比べて小さめの構造のため余計なスペースを取らないことや、自己洗浄作用があることがメリットです。
しかし、他の排水トラップに比べて髪の毛のようなゴミが詰まりやすい点がデメリットといえます。
お風呂の排水トラップがないときの対処法
先述の通り、排水トラップは排水管や下水管からの悪臭・害虫の浸入を防ぐ働きをしているため、基本的にはどの家庭にも設置されています。しかし、とても昔に建てられた古い家には浴室に排水トラップが設置されていない場合もあります。
排水トラップが設置されていないと、排水管や下水管からの悪臭や害虫が直で逆流してきてしまいます。そのため不快に感じてしまうこともあるでしょう。
このような場合におすすめなのが新たに排水トラップを設置するか防臭キャップをセットすることです。そして排水口に上からフタをしてください。対策をすることで臭いや害虫の浸入を極力防ぐことができます。
排水トラップや防臭キャップはホームセンターやインターネットで購入可能です。高価な製品でもなく1,000円程度で販売されているため、排水トラップが設置されていなくて悩んでいる方は一度検討してみましょう。
取り付け方法自体は簡単ですが、排水口の大きさや取り付け可能な排水トラップの種類を確認しておく必要があります。購入前にしっかりと確認しておくことを忘れないでください。
お風呂の排水口・排水口トラップの掃除方法
排水口や排水トラップにゴミや汚れが溜まっていると詰まりの原因となります。ゴミや汚れはしっかりと除去しておく必要があります。
ここでは排水口や排水トラップの掃除方法を解説します。
排水口の目皿にゴミが溜まっている場合
浴室の排水口の目皿には私たちの髪の毛が溜まりやすくなっています。髪の毛は詰まりの原因となるので、ゴム手袋を着用してこまめに除去するようにしましょう。
使い捨てのヘアキャッチャーやシリコン製のヘアキャッチャーなどを利用すると、掃除の際に取り外すだけで済むため、掃除が楽になります。
排水トラップが汚れている場合
排水トラップ本体や封水が溜まる部分の汚れが目立つ場合にも掃除が必要になります。排水トラップが椀トラップであれば、取り外して汚れや髪の毛を綺麗に洗い流してください。
ドラムトラップの場合にはドラム部分の掃除をすることはできません。取れる範囲のみで大丈夫です。その上で排水管洗浄剤を使用するとドラム部分の汚れも落とすことが可能です。
手が届かない部分を掃除する場合
排水トラップよりも奥を掃除したい場合手が届きにくいため大変です。その場合にはラバーカップ、ワイヤーブラシや針金ハンガー、排水管洗浄剤の使用がおすすめです。
スッポンとも呼ばれているラバーカップは、排水管内の圧力を変化させて汚れを落とす効果があります。ワイヤーブラシや針金ハンガーは汚れに直接アプローチでき、そのまま汚れをはがし落とせます。
排水管洗浄剤は劇薬成分が含まれている場合があるため、換気の良い場所で使用上の注意を遵守して使用するようにしましょう。
お風呂の排水口掃除が難しいときは
浴室は毎日使用する場所であるため汚れが溜まりやすく、定期的に掃除しないとすぐに詰まりや臭いが発生します。
また、汚れの状態によっては上記の掃除方法では解消できない場合もあります。築年数が古い家で排水トラップが設置されていないときには、上記の方法で解決できないかもしれません。
無理に自己流で解決しようと続けていると余計に悪化してしまうことが考えられます。
そうならないためにも、自分では無理だと感じたときには早めに排水管や水道の専門業者に修理依頼をすることをおすすめします。費用は掛かりますが専門知識と経験を有した方に依頼することが最も確実で得策です。
基本的には専門業者に依頼することで解決できます。しかし、一部ですが悪質な業者が存在していることも事実です。
おおよその相場を把握するためにも複数業者の料金をチェックすることや相見積もりを依頼するなど、後悔しないよう事前調べをしましょう。
状態によっては高額となることも十分にあり得るので、あらかじめ施工内容と費用の確認を忘れないようにしましょう。
まとめ
排水トラップは下水管からの悪臭や害虫の浸入を防いでいるとても重要な役割を担っている部品です。浴室は毎日使用する場所であるため、その分ゴミや汚れが溜まりやすくなっています。
排水口や排水トラップの汚れは後々詰まりのトラブルに発展するため、今回ご紹介した掃除方法で清潔を保つようにしましょう。
自分で掃除をしても解決できないと感じた場合には、これ以上状態を悪化させないためにも速やかに専門業者に修理や掃除の依頼をするようにしましょう！
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