水のコラム
水は放置すると腐るのか？傷んだ時の見分け方と対策は
災害の備えとしても欠かせない「水」
備蓄水として販売されている水の期限は3〜5年というのが一般的です。また、ウォーターサーバー用の飲料水の期限は6ヶ月〜1年程度と言われています。
普段は蛇口をひねれば飲料水が手に入る生活のため、水の消費期限について考えることはないかもしれません。
また、水は無機質であるため、腐ることはないのでは？と考えるかもしれません。
しかし「何日もコップに入れておいた水を安心して飲むことができるのか」は疑問ではないでしょうか。
水を放置したらどうなるのか
水は無機質であり、基本的には腐ることはありません。
また、水道の蛇口から組んだ水は塩素で消毒されています。
それでも、水道水の入ったコップを放置し続けると水は濁ってきます。
その原因の一つは、水道水の通り道である水道管には微量の細菌が付着しているためです。また水を入れているカップも一般家庭で使用しているもののほとんどが滅菌処理をされたものではありません。
そのため、身体に害にならなくとも微量の菌の付着は免れませんし、水道水に入っている塩素の働きも数日程度で無くなってしまうため、水は腐っていくのです。とくに飲みかけのペットボトルなどに入った水には、口腔内の細菌や唾液などの有機物も混ざることでより傷みやすい状態になっています。
そして、水が腐ると有機物（細菌など）が増えて水が濁ります。
そのままさらに放置すれば細菌の量はどんどん増えて、水の濁りも強くなります。
水が傷んだ時の見分け方
腐った水と安全な水は「臭い」と「色」で見分けることが出来ます。
怪しい水がある場合、まずは臭いを嗅いでみてください。本来ならば水そのものに匂いはありませんが、腐ったお水の場合には生臭かったりカビ臭かったりと、何らかのにおいがします。
また、水の色も目安になります。
本来のお水は無色透明で混じりけのない状態ですが、傷んだお水は濁っていたり、浮遊物などの異物が見える場合もあります。
このような水の変化が見られた場合は水が腐っているか、腐りかけている状態なので飲用水としては使用しないようにしましょう。
水が傷むまでの期間はどのくらい？
汲み置きした水が傷むまでの期間は、キレイな容器に入れた水道水の場合涼しい場所での保管で約3日間、冷蔵庫に入れた場合は約10日間程度です。ただし、保存中に口をつけて飲んだり保管温度が変化した場合はもっと短くなります。
また、天然水や浄水器を通した水を汲み置きした場合も水道水と比較すると早く傷んでしまいます。
天然水や浄水後の水には塩素が含まれていません。水道水に含まれる塩素は水の傷みを防ぐ役割があるため、塩素を除いた浄水やもともと塩素を含まない天然水は傷みが早いのです。
注意しなければならないのが、マイボトル等でウォーターザーバーの水を持ち歩く場合です。
ウォーターサーバーの普及が進み、利用している家庭も多いのではないでしょうか。
ほとんどの場合、ウォーターサーバーに使用する水はRO水または天然水です。
RO水とは、水道水などを濾過して不純物を取り除いた水です。
天然水とは、地下水や海洋深層水と言われるミネラルなどを多く含む水です。
RO水も天然水も、水道水と比較して痛みやすいのですが「おいしい水を持ち歩く」ためにマイボトルに入れて持ち歩き、直接口をつけてこまめに水分補給をする場面が増えました。
RO水や天然水を持ち歩く場合は、低温が保てる清潔な容器に入れ、できるだけ早く飲み切ること、一日持ち歩いた水は翌日に持ち越さないのが安全です。
水が傷むのを防ぐためには
自宅で汲み置きした水の傷みを完全に防ぐことはできません。
長期間保存したい場合は、半年程度ならばウォーターサーバー用の水を、災害時にも使用できるような保存水の場合は保存水として充填された水を利用しましょう。
保存水として長期保存できる水は、保存に適した非常に清潔な状態でボトル充填されています。外気に触れない限りは保存期限までは安全に飲無事が出来ますが、容器の破損や開栓によって外気に触れた場合は、その時点で水の劣化が始まります。
汲み置きした水を少しでも傷みにくくするためには、浄水器やウォーターサーバーの水を使わず、水道水をそのまま使用すること、容器に直接口をつけて飲まないこと、低温で保存することが大切です。
それでも、汲み置きした水の状態は気温や容器の状態によっても傷みの程度が左右されやすいため、飲用としての利用はおすすめしません。
放置した水は傷む！安全な水を飲むためには
水は無機質なものですが、保管状態などによっては傷みます。保存する容器や保管温度、外気に触れる頻度など、様々な条件により傷みの速さは違うものの、汲み置きした水を長期間安全に飲む状態で保つのは困難です。
安全な水を飲むためには、汲み置きした水ではなく水道水を飲む度に注ぐか、ペットボトルの水を飲む時に開ける、直前にウォーターサーバーから注ぐなど、汲み置きしない水を利用するのが安心です。
また、水により適した使用場面は変わります。
水道水には塩素が含まれており、傷みにくいため家庭で氷を作るときには水道水で作るよう指定されていることが多いです。
ウォーターサーバーの場合は不純物などが混じらないことや天然のミネラル成分が手軽に取れる、温度調節された水がいつでも手軽に飲めるといったメリットがあります。また、サーバーボトルには無菌状態で水が充填されているため保管期限も長く、安全な水が長期間安心して飲めるという点も便利です。
また、長期保存用の水の期限は3年〜5年と更に長期間安全性が保たれています。
私達の暮らしに欠かせない水を安心して飲むためには、水道水、ウォーターサーバーなど水の種類による適した使用場面を知ることが大切です。
放置されて傷んだ水を飲んでしまうと、細菌による消化管の感染症を生じるリスクもあります。
汲み置きした水はできるだけ短期間で使用することと、使用前に見た目や臭いなどで確認してください。
基本的には「飲料水は汲み置きしない」と思っていただくのが安心です。
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