水のコラム
排水管の高圧洗浄とは?その必要性を注意点などとともに解説
排水管の高圧洗浄の必要性は高いのか低いのかとの疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。
台所のシンクなどで水の流れが悪くなったときに、パイプのクリーニング剤を使って解決した経験があれば、高圧洗浄まで必要なのかなと思っても不思議ではありません。
一方で、また流れにくくなるのではないかと不安になり高圧洗浄が必要かもと考えることもあります。
この記事では、気になる排水管の高圧洗浄の必要性について、タイミングやデメリット、注意点などとともに解説します。
排水管の高圧洗浄とは
排水管の高圧洗浄の必要性を知るためには、そもそも排水管の高圧洗浄がどのようなものかを理解することが重要です。
排水管のつまりを高圧洗浄機で洗い流す
排水管の高圧洗浄は、排水管のつまりや蓄積された頑固な汚れをパワフルに洗い流す清掃手段です。
排水の通り道となっている排水管の内部に台所やトイレ、洗面所、浴室といった水回りの汚れが付着すると、やがてはつまりや悪臭といったトラブルにつながります。
高圧洗浄機は水を高圧で噴射する装置です。
排水管に挿入したホースから噴射される水が、内部の残飯や油汚れ、洗剤や皮脂などを強力に洗い流してきれいにします。
高圧洗浄の必要性がある場所
台所やトイレなど、水回りは排水管の高圧洗浄の必要性がある場所だといえます。
使用頻度や使い方にもよりますが、つまる可能性、リスクがある点ではどの場所の排水管でも同じだからです。
場所ごとにつまりの原因を見てみましょう。
台所では食用油や洗剤、食材の欠片が原因のつまりで高圧洗浄が必要になるケースが多いほか、スプーンなどの小物が引っかかってしまうケースもあります。
洗面所や浴室では毛髪や皮脂が代表的なつまりの原因です。
洗濯機の排水ホースがつながっている排水管なら、毛髪や繊維くず、洗剤のカスが、トイレでは流れにくいティッシュペーパーや大量のトイレットペーパー、うっかり落とした装飾品などがつまりの原因となっています。
戸建てとマンションの違い
戸建てとマンションとでは、排水管の高圧洗浄といってもつまりやすさや作業の点で事情が異なります。主な違いを紹介しましょう。
構造的なつまりやすさの違い
戸建ては平屋なら階をまたぐ配管はなく2階建て以上であっても高さは限られており、上層階に水回りがないケースもあります。
そのため、排水管の基本は横引き配管です。
配管に高低差があまりないことから流れに勢いがつきにくく、排水管がつまりやすいといえます。
一方のマンションは1階から高さのある最上階まで配管が走っています。
一方、受水槽から高架水槽に水を送る重力給水方式の場合、高架水槽と距離が近いために水圧が弱い上層階ほどつまりやすくなっている点が特徴です。
作業の手順が違う
戸建ての場合、排水各部と排水桝の状況を点検し、洗浄前に除去できる汚れ・異物は除去しておき、屋内の高圧洗浄を行います。
次に屋外排水桝の高圧洗浄を実施し、排水が問題なくできていれば終了です。
専有部と共用部に分かれているマンションの場合、戸建てとは少々手順が違います。
一般的なマンションの高圧洗浄では、まず外部の横引き菅と階を跨ぐ縦管の洗浄を行い、屋内の高圧洗浄はその後です。
洗浄は下の階から上の階へと進みます。もしも下の階がつまっているところへ、上の階から作業してしまったら、逆流や漏水を起こしかねないためです。
戸建ての排水管高圧洗浄の実施は家主次第
マンションにおける排水管の高圧洗浄は、管理組合や管理会社によって計画されて実施されるのが一般的です。
したがって、各戸が個別に考える必要はありません。
しかし、戸建ての場合は家主の考え次第です。
そのため、通常はそれぞれのお宅で必要性の判断、認識が重要になります。
排水管を高圧洗浄する必要性が生じるタイミング
排水管の高圧洗浄はいつ行うべきなのでしょうか。
高圧洗浄実施のタイミングと、必要性を解説します。
排水管がつまってしまったとき
排水管の高圧洗浄を行うタイミングとして、選択の余地がほぼないと考えられるのが、排水管がつまってしまったときです。
つまる前であれば猶予がありますが、つまったままでは使用できないため好むと好まざるとにかかわらず、早急に高圧洗浄を行うことになるでしょう。
仮にしばらく使わないからといって放置していると、つまっている汚れが固まってしまい、容易に洗浄できない事態に陥るおそれがあります。
定期的な排水管高圧洗浄の必要性
排水管がつまっているわけではない場合のタイミングとしては、定期的な実施を検討してみるとよいでしょう。
徐々に増える見えない汚れを落とせるのは高圧洗浄
まだつまっていなくても、排水管はいつつまってしまうかわかりません。
外部に露出している設備とは異なり、住人が排水管の内部を見ることはほとんど不可能といってもよいでしょう。
つまり、表面上は問題なく流れているように見えても、実は汚れが付着して増えているかもしれないということです。
そして、この見えない汚れを落とす効果的な手段は高圧洗浄です。
いつつまってしまうかわからない排水管だからこそ、定期的なタイミングでの高圧洗浄が有効といわれています。
一般的に推奨されているサイクルは3年〜5年です。
排水管や排水桝の異常を発見する機会になる
排水管の高圧洗浄を実施する際には、排水桝も含めた点検が行われます。
普段は気付かない異常を発見する機会になることは、定期的なタイミングで実施するメリットだといえるでしょう。
異常を早期に発見することで、問題を大きくしないで済みます。
悪臭や害虫の発生を抑える
つまっていなくても、汚れていれば悪臭や害虫の発生につながってしまうのが排水管というものです。
害虫が発生すれば駆除の手間がかかったり、嫌な気分になったりします。
目に見えない悪臭は悩みの種になることもあるくらいで避けたいものです。
定期的なタイミングでの排水管の高圧洗浄は、悪臭や害虫の発生を抑え、快適な室内環境づくりの重要ポイントとなります。
排水管を高圧洗浄するデメリットと注意点
排水管の高圧洗浄にはデメリットもあります。
排水管を損傷するリスク
高圧洗浄機から噴出される水はかなりの高圧であるため、経年など排水管の状態次第では亀裂が入るなど損傷のリスクがあります。
排水管の損傷に気付かずに使用を続けると、漏水などのトラブルにつながりかねません。
建物自体が古い場合は、排水管も弱くなっている可能性があるため、専門の業者に来てもらったほうがよいでしょう。
異物が逆流するケースがある
排水管内部のつまりが酷い場合、高圧洗浄機から噴出される水の量が流れていく水量よりも多くなってしまい、水だけでなく混入している異物が逆流してくるケースがあります。
逆流を防ぐためには、徐々に水圧を上げて様子を見るなどの工夫が必要です。
逆流しそうだなと感じたときは、無理をせず業者に依頼しましょう。
完全に洗浄できるとは限らない
高圧洗浄は排水管内部のつまりや汚れを落とす効果的な手段であるものの、どんなケースでも完全に洗浄できるとは限りません。
とくに汚れの付着が大きいと考えられる曲がり角の洗浄は容易ではないでしょう。
また、何本も通っている排水管を漏れなくキレイに洗浄するためには、経験とノウハウが必要です。
自分でやるより業者に依頼した方がよい
排水管を損傷するリスクや逆流のおそれ、完全な洗浄の難しさを考えれば、排水管の高圧洗浄は自分でやるより業者に依頼した方がよいといえるでしょう。
また、家庭用の高圧洗浄機はリーズナブルな価格で入手できますが、さまざまな状況に対応するためにはプロの道具が必要になるケースがある点にも考慮が必要です。
排水管高圧洗浄の料金相場
排水管の高圧洗浄を業者に依頼する場合の料金相場は、戸建ての場合は36,000円前後です。
部分的な実施か全体的な実施かの違いもありますが、業者による差も大きいようです。
マンションの場合は、1戸あたり数千円が相場となっています。
ただし、実施戸数が少ないほど戸建てに近い金額になる点に注意しましょう。
賃貸の排水管高圧洗浄と費用負担
賃貸物件で排水管の高圧洗浄を実施する場合、費用を負担するのは貸主か借主かどちらでしょうか。この答えはケースバイケースです。
物件の所有者である貸主は、借主に対して問題なく住める状態を提供しなければなりません。
一方の借主も、通常使用の範囲を超えて物件を傷めることがないように住む必要があります。
したがって、借主の使用に問題があったために高圧洗浄が必要になったケースでは借主負担となっても仕方ありません。
貸主の管理の問題といえるケースでは貸主負担となるでしょう。
当事者で争いになると公的な判断を仰ぐ必要が生じます。
排水管のつまり予防策も大事
排水管の高圧洗浄はつまりを解消する有効な手段ですが、高圧洗浄があるからつまっても問題ないということではありません。
高圧洗浄のデメリットも考慮すれば、つまる前の予防が大事です。
油は排水口に流さずに処理する
冷えて固まる油は排水管につまりやすく、異臭の原因にもなるため排水口に流すべきではありません。
古くなった食用油をシンクに流している方は注意が必要です。
知らぬ間に排水管の内部に油汚れが付着している可能性があります。
天ぷらなどの調理に使用して余った油は、廃油処理剤などを使って捨てましょう。
市販の薬剤で清掃する
日常的なつまり予防には市販の薬剤がおすすめです。
家庭用もありますが、ピーピースルーという業務用で一般入手も可能な薬剤があります。
汚れが強い場合は家庭用の薬剤ではなく、ピーピースルーのような業務用の薬剤を使うことで、排水管をよりきれいな状態に戻せるでしょう。
排水桝をチェックする
戸建て住宅では排水桝のチェックも重要です。
敷地内の地面にある小さなマンホールの設備をチェックして、異臭やつまりなど異常の有無をチェックします。
初めてのチェックでは気付きにくいかもしれませんが、2回目以降は前回と比べておかしいと感じたら業者を呼びましょう。
トイレットペーパーを流す量に注意
トイレットペーパーはトイレに流せる紙ですが、一度に大量に流すとつまることがあるため、流す量には注意しましょう。
また、トイレットペーパーを団子状にまとめて流すと、つまる原因になり得るため望ましくありません。
とくに節水型の新しいトイレでは、流す水の量が少ないためより注意が必要です。
ヘアキャッチャーでつまる元を逃がさない
洗面所や浴室の排水口にはヘアキャッチャーを付けましょう。キャッチされた髪や石鹸カスを見れば、ドロドロで絡み合った状態になっていることが少なくなく、排水管の大敵であることがわかります。
お湯を流して油汚れを落とす
残った油を直接流さなくても、皿洗いなどで食べかすとともに流れた油分が排水口に付着することがあります。冷えると固まる性質がある油汚れを落とすには、お湯を流すことが効果的です。
ただし、一般に60度〜70度とされる排水管の耐熱温度を超える熱湯を流すと排水管にダメージを与えてしまうおそれがあるため、お湯の温度には注意しましょう。
まとめ
排水管の高圧洗浄は頑固なつまりを解消する有効な手段であり、つまる前の汚れや異臭、害虫の発生を抑える効果も期待できます。
一方で、ケースによっては排水管の損傷や逆流といったデメリットもあるため、専門業者への依頼が望ましいといえるでしょう。
排水管の高圧洗浄を実施するかしないか、いつ実施するかは、自分にとってのメリットとデメリットを踏まえて判断することが重要です。
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